◆プロフェッショナル vol.8 『採用のプロフェッショナル』

採用チームに配属された私は、入社後がむしゃらに頑張っていた。学生さんの人生を誰よりも考える。学生さんの人生が自分ごとになり、学生さんのことがどんどん好きになり、我が子のように大切な存在になった。採用という仕事は天職だと思った。最初は順調で波に乗っていたものの、徐々に出したい結果が出なくなっていった。私の目標のために、上司が最後まで可能性を追求する一方で「もう案件がないし、無理だって・・・」と、自分が達成をあきらめてしまう始末だった。
幾度かの失敗を繰り返し、いい加減、結果を出さないといけないと肚をくくった。まず、よく面接を依頼していた管理職の方々からフィードバックをもらった。「予見」、「学生さんとのていねいな合意形成」、「ゴールまでのストーリーを描くこと」。今まで上司や周りから言われていたこともたくさんあった。今度こそは、一つひとつを軽視せず、真正面から受け止めた。すぐに上司の頭を頼るのではなく、自分で考えて、すり合わせる。さらに、自分で理解できない学生さんは、他の社員の目を借りた。馬力でなんとかするのではなく、確実にできる方法を考えて、実行する。すると、終電が多かった先期に比べ、今期は終電で帰る日はなかったし、よく寝た。自分のことだけでなく、チーム全体にも目を配れた。頑張り方次第でこんなにも変わるのかと驚いた。
うまくいかないときは何かを我慢したり、変な頑張り方をするのではなく、やり方を変える。すると新しい世界が見えるし、何よりおもしろい!とことんやりきる経験を通して、「変えればいい」という新しい考え方を手に入れた私には限界がなくなり、少しの自信がついた。