◆プロフェッショナル vol.7 『管理職としてのプロフェッショナル』
「課員になにを伝えられる管理職でありたいか?」と問われたことがあった。悩んだすえに私が出した答えは「仕事のおもしろさ」を伝えることだった。仕事に打ち込み、夢中になることの充実感。仕事を通して自分の殻をやぶり、見える世界が広がったときの高揚感。自分が感じたあのわくわくを、課員にもぜひ知ってほしいと思った。
管理職になりたての頃、課員が高い目標を掲げて達成させようともがき進み続ける姿を見ていると、ふと「自分はどうだろうか?」と思った。「とりあえず管理職として一人前に」という目標に甘んじて、上を目指すのはまだ早いと思っていないだろうか。上の人たちが何度か管理職に向けて言っていた言葉がずっと胸に刺さっていた。「課員にはできないことに挑戦するよう求めるくせに、自分はやっているのか?管理職は変化・成長しているか?」。改めて自分に問うた。できる範囲でやってしまっていないだろうか?変われているか?課員の目標を自分の目標にすり替えて言い訳していないか?
振り返って見れば担当者時代は、うんと背伸びした目標を掲げることで成長してきたはずだった。掲げてからしんどくなることは知っているけれど、自分なら壁を越えていけるかもしれないと思える自信は担当者時代についた。なにより、そのほうがおもしろいことは十分に知っていた。
しかし管理職になった自分は、誰よりも失敗を恐れて、カッコ悪い姿を見せないようにしていたと気づいた。まだまだ未熟でできないことも多い。けれど、私自身が挑戦と失敗を繰り返し、それでも泥臭く成長し続ける姿こそ、課員に見せるべき姿なのだと思う。私が挑戦して、失敗や成長を繰り返す姿を見て、課員に「自分も頑張ってみよう」と思ってほしい。そして、仕事っておもしろいのだと感じてほしい。そのために私は、これからも一番の挑戦者であり続けていく。